こんにちは、H. Châteauです。以前(2017年)木管アンサンブル曲の大規模編成(九重奏以上)おすすめ曲をご紹介する記事を書きましたが、他にも大規模編成の曲を見つけたり教えて頂いたりしましたのでご紹介いたします。九重奏以上の木管アンサンブル曲のご紹介Part2です。以前ご紹介した曲よりも知名度の低いものもありますが、皆様が聞いたり演奏したりしていくうちにメジャー作品になるかもしれません…!!
現在ご紹介できる曲数は前回に比べると8つで少ないですが、今後見つけたり教えて頂いたりした際に数を追加していきたいと思います。
九重奏
1. F. シューベルト / アイネ・クライネ・トラウエルムジーク, D. 79
ロマン派のオーストリアの作曲家、フランツ・シューベルト(Franz Peter Schubert, 1797年1月31日 – 1828年11月19日)が1813年(16歳)に作曲した、2Cl, 2Hr, 2Fg, 2Tb, C.Fgのための九重奏曲です。単一楽章で7分程度です。編成にトロンボーンが入っているのが特徴です。名前がモーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」(1787)に似ていますが、もじったのでしょうか…?シューベルトは1808~1813年にいた寄宿制神学校(コンヴィクト)でモーツァルトの作品に出会っているので可能性はあるかもしれません。
曲自体は前半がホルンの2重奏(繰り返し)、後半は全員の合奏(繰り返し)ですが前半とほぼ同じ内容です。タイトル「Eine kleine trauermusik」のトラウエル(悲しみ)のとおり、葬送の雰囲気の小曲です。1812年にシューベルトの母が亡くなっており、同時期に母の葬儀用と言われる管楽八重奏曲D.72が作曲されているため(ただしこちらはF-dur、編成も一般的なハルモニームジーク編成)そのことと何らかの関係があるかもしれません。
Es-mollという♭6つのなかなか大変(とはいってもクラリネットやホルンは左程でもありません)な調性で暗めかと思いきや、特に前半のホルン二重奏や、主題の後半などは長調のように終わる部分もありずっと暗いわけではありません。悲しみの中にも優しさを感じる部分もあります。ホルンに休みの小節がないため、体力が試される曲でもありそうです。
Wikipedia(日本語) / フランツ・シューベルト
IMSLP / Eine kleine Trauermusik, D.79 (Schubert, Franz)
2. T. グヴィ / 小組曲「ゴロワーズ」,Op.90(1888)
19世紀フランスの作曲家、テオドール・グヴィ(Louis Théodore Gouvy, 1819年7月3日 – 1898年4月21日)が1888年頃(69歳)に作曲したと思われるFl, 2Ob, 2Cl, 2Hr, 2Fgのための九重奏曲です。全4楽章ですが15分程度です。作曲された年代はWikipedia英語・フランス語版に基づき1888年としています(2020.3.3時点でIMSLPには1898年と記載されています)。しかし、生前には出版されませんでした(初版は1900年)。
T. グヴィは同じ編成の九重奏「Petite symphonie」(小交響曲)を書いたシャルル・グノーよりも1歳年下で、グノーが作曲したのは1885年でしたのでグヴィも影響を受けた可能性があります。Editionsilvertrustのページによりますと、「グノーに小交響曲を依頼したのはポール・タファネルだが、同様の作品を求めてグヴィにアプローチしたかもしれない」とも書かれています。グヴィの交友関係が書かれたページは少ないですが、ナクソスの紹介ページには「1856年、作品(交響曲第4番)の初演時にはトマとグノーが出席し惜しみない称賛を送ったとされています。」とありますので、なんらかの交友関係があったかもしれません。
ゴロワーズとはWikipedia日本語によると「直訳でゴール人の女、ゴールとは現在のフランスにあたる地方の古名。形容詞では陽気な、好色な、あけっぴろげなという意味」とされているようです。ゴロワとはガリア・ガリア人のことで、ガリアは近代ではフランスの雅称でもあるとのことです。
曲の横文字表記はPetite Suite Gauloiseであり、Gauloiseが大文字なので名詞と推測されるため、曲名の意味としては「古フランス風」と思われます。楽曲にメヌエットやタンブーラン等フランスの伝統舞踊が用いられていることからも、そう考えてよいでしょう。
I. Introduction et Menuet.
II. Aubade.
III. Ronde de nuit.
IV. Tambourin.
第一楽章はゆったりとした明るめの雰囲気の中にも少し靄やがかかるようにAdagioでイントロダクション(導入部)が始まり、続いて短調のフランス民族舞踊メヌエットのダンスが始まります。中間部は一転して優しいゆったりとした流れとなりますが、再度短調のダンスに戻ります。
第二楽章はオーバード、朝の歌の意で、夜明けに分かれる恋人たちの詩・歌やその情景を描いた詩・歌です。そこから「夜明けに関連する歌曲・器楽曲」の意味をもちます。短いですが楽譜上では前半と後半に分かれており、歌曲に見られるルフラン形式をとっているかもしれません。
第三楽章は第二楽章からattacca.で、ホルンの号令により始まる短調で軽やかなロンド(輪舞、仏語でRonde)です。ロンド形式のロンドーとは異なるように思います(そちらは仏語でRondeauなので…)が近いかもしれません。単純な4小節でワンフレーズにはなっていない箇所が複数あるのが特徴的です。いくつかの昔の舞曲には5小節単位のものもありますのでそちらに寄せているのでしょうか…?ちなみに、Ronde de nuitには夜のパトロールのような意味もあります。レンブラントの「夜警」はフランス語でLa Ronde de nuitです。
第四楽章は軽快なタンブーランです。打楽器のタンバリンの意味ではなく、プロヴァンスの伝統舞踊タンブーラン(参考:Wikipedia日本語、フランス語)を指すと思われます。プロヴァンス太鼓と笛のリズムに乗って踊る2拍子の舞曲です。ラモーやゴセックのタンブーラン、ビゼーのファランドールが有名です。
Wikipedia(日本語) / テオドール・グヴィ
Wikipedia(英語) / Louis Théodore Gouvy
Wikipedia(フランス語) / Louis Théodore Gouvy
IMSLP / Petite Suite Gauloise, Op.90 (Gouvy, Louis Théodore)
I. Introduction et Menuet. (イントロダクションとメヌエット)
II. Aubade. (オーバード)
III. Ronde de nuit.(夜のロンド)
IV. Tambourin.(タンブーラン)
その他のYoutube動画もご参考まで。
また、情報をお寄せいただいたこいけたかし様に感謝を申し上げます。
十一重奏
3. F. メンデルスゾーン / ノクトゥルノ, op.24(1824)
ロマン派のドイツの作曲家、フェリックス・メンデルスゾーン(Jakob Ludwig Felix Mendelssohn Bartholdy, 1809年2月3日 – 1847年11月4日)が1824年(15歳)に作曲した、Fl, 2Ob, 2Cl, Tp, 2Hr, 2Fg, E.BsHrのための十一重奏曲です。ドニゼッティのシンフォニア(1817)のようなハルモニームジーク+Flの九重奏編成に、TpとE.BsHrの2本が追加された編成です。単一楽章で、演奏時間は8~9分です。
まず謎のE.BsHrですが、English Bass Horn(イングリッシュバスホルン)といい、蛇型木製金管楽器セルパンが発達して生まれた楽器です。
1799年頃のイギリスでセルパンを発展させて発明された楽器で、1824年に北ドイツを訪れたメンデルスゾーンがそこで目にして以来、メンデルスゾーンのお気に入りでした。このノクトゥルノを始め、彼の曲で用いられていきます。この情報はBerlioz Historical Brassに記載されていますが、そちらにはバスホルンの画像もありますので是非ご覧ください。
なお、セルパンもバスホルンもオフィクレイドに取って代わられ、さらにオフィクレイドも現代ではチューバで代用されるようになりました。しかし、現代で演奏する際には音域や音色が似ているユーフォニウムやEs管かF管のチューバを使用する方が好ましいようです。団体によってはセルパンや弦楽器のコントラバスで演奏していたりもします。
このノクトゥルノは1824年に作曲されたものの、一度楽譜が失われ、1826年にメンデルスゾーン本人により復元されました。現在残っているノクトゥルノの楽譜は1826年版だと思われます。さらにその後、1838年に規模を大きくしてピッコロや小クラリネット、バセットホルンやコントラファゴット、金管楽器や打楽器を増量し、27楽器編成(人数は25人くらいでしょうか、打楽器のパート分けによると思われます)のハルモニームジークのための序曲として現在でも親しまれています(以上参考the university of maryland wind orchestra)。IMSLPには序曲として掲載されていますが、十一重奏版(1826版)のスコアも見ることができます。
曲は前半がクラリネットのメロディーで始まるAndanteの部分で、後半は軽やかで快活なAllegro vivaceになります。後半は若さ溢れますが、しっかりメリハリがついています。しかし15歳でこの曲を作曲したとなると末恐ろしいですね。
なお、タイトルのノクトゥルノ(ノクターン)は夜想曲と日本語訳されますが、この曲はそのようなロマンティックなイメージではありません。ノクターンの語源としては「夜の音楽」の意味程度で、当時はセレナーデと同様に「夕方や夜に(屋外や野外で)演奏される器楽曲」くらいの意味でした。
Wikipedia(日本語) / フェリックス・メンデルスゾーン
Wikipedia(日本語) / 吹奏楽のための序曲 (メンデルスゾーン)
IMSLP / Overture in C major, Op.24 (Mendelssohn, Felix)
ノクトゥルノ
ハルモニームジークのための序曲
十二重奏
4. M. レーガー / 管楽セレナーデ, WoO 1/9(1904)
後期ロマン派のドイツの作曲家、マックス・レーガー(Johann Baptist Joseph Maximilian Reger, 1873年3月19日 – 1916年5月11日)が1904年(31歳)に作曲した、2Fl, 2Ob, 2Cl, 4Hr, 2Fgのための十二重奏曲です。単一楽章で、演奏時間は6~7分です。
マックス・レーガーはオルガン曲の作曲家として有名ですが、他にも協奏曲や管弦楽曲、室内楽曲や合唱曲を残しています。ラフマニノフと同い年ですが、43歳の若さで亡くなっているためか現代ではあまり知られていません。ヒンデミットやプロコフィエフは彼の作品に心酔していたらしく、1920年代まではドイツ語圏で影響力がある作曲家でした。
管弦楽作品の作風はドイツの伝統を踏襲しつつワーグナーやリヒャルト・シュトラウスへ傾倒していたようで、実際この管楽セレナーデもR. シュトラウスの13管楽器のためのセレナーデ(1881)や組曲(1884)とほぼ同様の編成(R.シュトラウスの編成と比べるとC.Fgがない)になっています。
曲は全体を通してほぼ全員が吹きっぱなしかつユニゾンが非常に多い曲になっております。ホルン4本も絶え間なく吹いていたり、主題の受け渡しや細かい動きの楽器間の移動が多いため、ワーグナーっぽさやR. シュトラウスに傾倒していた雰囲気が垣間見えるかもしれません。
冒頭の主題はわかりやすく、調性もBb-durから大きく離れないものの、アンサンブル力が試されるものとなっています。
なお、IMSLPのスコアを見てみますと3ページ目以降の強弱やアーティキュレーション、テンポ変化等の指示が一切無くなっているため、解釈やバランス調整や表現如何で様々な雰囲気が出せる可能性にも満ちた作品だと思われます。是非色々な団体で団体独自の色を付けた管楽セレナーデを演奏して頂きたいと思います。
Wikipedia(日本語) / マックス・レーガー
IMSLP / Bläserserenade, WoO I/9 (Reger, Max)
5. W. ベルガー / 12の管楽器のためのセレナーデ, op.102(1910)
ドイツの作曲家、ヴィルヘルム・ベルガー(Wilhelm Berger, 1861年8月9日 – 1911年1月16日)が1910年(49歳)に作曲した、2Fl, 2Ob, 2Cl, 4Hr, 2Fgのための十二重奏曲です。ベルガーはヴィルヘルム・バーガーとも表記されます。前出のマックス・レーガーの管楽セレナーデと同じ編成です。当時ドイツでは流行していたのでしょうか…??全5楽章で、演奏時間は約23~25分程度です。
ベルガーの幼少期の音楽教育がどれほどだったか、また著名な作曲家とどれほど親交があったのかは今のところ不明ですが、14歳のときの公開演奏会までに多数の曲を作曲していたようで、かなり早くから音楽の素養があったようです。ベルリン高等音楽学校(ヨーゼフ・ヨアヒムによって設立された現ベルリン芸術大学)に17歳頃から23歳頃まで在籍し、その後は別のベルリンの音楽学校で教師を務めました。指揮者・ピアニスト・作曲家をしつつ、その後宮廷楽長や王立芸術アカデミーの教授になる等の活躍をしたそうです。作曲理論に非常に精通しており、ドイツの正統なクラシック音楽道を行ったようにも感じますが、同時期にドイツで活躍した型破り系作曲家にG. マーラー(1860生まれ)やR. シュトラウス(1864生まれ)等がいたためでしょうか、ベルガー自身も交響曲や声楽曲を始め100以上の作品を残しているにも関わらず現代ではマイナー作曲家となっています。しかし2000年以降に再評価が進んでいるようです。
この曲は後期ロマンから近代に入りそうな時代に作曲されたものですが、ロマン派真っただ中のようにとても聞きやすく、構成も明瞭です。12本も楽器があるわりには非常にバランスよく楽器が用いられています。初聴きでも「次どんなメロディーや和音やリズムが来るんだろう…??次はどの楽器が何をやるんだろう…??」と楽しみに聴いていられる一曲となっており、「知られざる名曲」といっても過言ではありません。
2020年3月時点でIMSLPに楽譜はありませんが、Youtubeで聴けたのでご紹介でした。
I. Moderato
II. Scherzo
III. Minuet
IV. Romance
V. Finale
第一楽章はゆったりとしたオーボエの優しげなテーマに始まり、フルートやクラリネットを中心にメロディーが進みます。ときおり軽やかなリズムが現れます。ホルンが各所で効果的に使われていると思います。
第二楽章はスケルツォで、ホルン・ファゴットの小刻みのリズムの中、フルート・クラリネットが小鳥のように軽やかに飛び回る楽曲です。ホルンのファンファーレが現れるも、基本的にはずっと軽やかな流れです。
第三楽章はクラリネットから始まるゆったりとしたメヌエットで、ホルンの上で歌うオーボエから始まる中間部(トリオ)の後に再度メヌエットに戻って終わります。主題の裏で各楽器に表れる対旋律が美しいです。
第四楽章は重々しくゆっくり始まり、やや近代的な響きと伝統的な和音がいったり来たりするような不思議な楽章です。今までの楽章とは雰囲気が異なります。
第五楽章は主題の合奏で始まり、跳ね回るフルートとクラリネット、軽やかなオーボエとファゴット、ホルンのファンファーレ的なモチーフが組み合わさって現れる楽しい曲です。
Wikipedia(日本語) / ヴィルヘルム・ベルガー
Wikipedia(英語) / Wilhelm Berger
Wikipedia(ドイツ語) / Wilhelm Berger (Komponist)
IMSLP / Category:Berger, Wilhelm
I. Moderato
II. Scherzo
III. Minuet
IV. Romance. Adagio
V. Finale. Vivace
十六重奏
6. R. シュトラウス / ソナチネ 第1番, TrV288(1943)
ドイツの作曲家、リヒャルト・シュトラウス(Richard Georg Strauss、1864年6月11日 – 1949年9月8日)が1943年(79歳)に作曲した、2Fl, 2Ob, 3Cl(1C, 2Bb&A), BH, BsCl, 4Hr, 2Fg, C.Fgの十六重奏です。3楽章構成で、演奏時間は35分前後です。
木管とホルンだけのアンサンブルとしては最大規模で、著名作曲家の中では唯一といっていいほどの大きな編成です。自身が書いた十三重奏よりもCクラリネット、バセットホルン、バスクラリネットの3本が増えています。また、十三重奏が17歳や20歳の頃に書かれたのに対し、このソナチネ第1番と後述するソナチネ第2番は79歳、80歳と最晩年に書かれています。初演は1944年6月18日にドレスデンで行われたようです(IMSLPより)。
後述するソナチネ第2番と対の曲であると考えられることが多いようです。
このソナチネ第1番は横文字ではSonatine No.1 “Aus der Werkstatt eines Invaliden”であり、ドイツ語の副題がついています。英語では”From an invalid’s workshop”です。
~ややこしい副題の日本語訳の謎(読み飛ばしていただいて大丈夫です)~
この副題は日本語ではややこしいことに「傷病兵の仕事場から」という訳と「病人の仕事場から」という2通りあるようで、前者はWikipedia・NAXOSやヤマハの輸入楽譜・最近のアンドレ・プレヴィンのCD記載から、後者はおそらく複数のCDに掲載されたJeremy Barham氏の解説の日本語訳や昔のアンドレ・プレヴィンのCD記載からが出所のようです。
■「傷病兵の仕事場から」説について
これについてはネット上では解説がほぼ見つからず、CDの日本語解説に次のような記載があるのを発見しました(参考:ナクソスミュージックストア)。
実際に曲を聞いてみますと自虐的な作品のようには聞こえませんので「自虐的」という第一印象に囚われないほうが良いと思います。
Glosbeでドイツ語そのものを検索しますとInvalidは病人や障害の意味合いが強く、負傷兵とかの意味合いはVerletztのほうが強そうな印象を受けますがいかがでしょうか。傷病「兵」とまで言い切るのは少し疑問が残る訳だと思われます。
■「病人の仕事場から」説について
こちらはおそらくJeremy Barham氏の解説の日本語訳等を用いてつけられたと思われるタイトルです。意訳すると以下のようになります。
また、正確な情報源は不明ですがファゴット吹きのバソン練習日記さんの記事に以下の記載があります。
具体的な年は定かではありませんがリヒャルト・シュトラウス研究所のBiographyのページの1942年頃に記述に「In Garmisch he transcribed old scores, with the aim of accumulating objects of value for his grandchildren.」(ガルミッシュで孫のために価値あるものを蓄積する目的で古いスコアを複写した)とあったり、Wikipedia英語版にも「In April 1945, Strauss was apprehended by American soldiers at his Garmisch estate.」(1945年の4月に、シュトラウスはガルミッシュの所有地でアメリカ兵に捕えられた)とあるように、度々ガルミッシュを訪れていたのは確かなようです。
一方、ソナチネ第2番のJeremy Barham氏の解説には「In the summer of 1943 Strauss returned to Garmisch.」(1943年夏にシュトラウスはガルミッシュに戻った)とあり、さらにJeremy Barham氏は第1番について「作曲された1943年2~7月はインフルエンザの回復期であり…」としていたので、もしこれらが正しいとなるとソナチネ第1番は別荘では作曲されておらず、「病人」の訳はいいとしても「仕事場=別荘」説が当てはまらなくなるのが不安定要素です。
■それ以外の訳の提案
この上記2つの説のほかに訳を一つ提案したいと思います。
それは「病人のウェルクシュタットより」というものです。「Aus der Werkstatt eines Invaliden」をそのまま直訳・カタカナ表記したもので、ぱっと見だと理解しにくいかもしれませんが、誤解を生むよりはよいかと思い作成しました。
こうした理由はVilla Musicaにドイツ語で詳しい解説があり、そちらに納得したためです。googleの力を借りて意訳しましたのでご参照ください。
ドイツ語の音をそののままにすることで、「仕事場」という場所だけに意識を限定させないことを狙います。
実はこの説はJeremy Barham氏の解説とも大きく異ならないのです(氏の解説は英語なので、「仕事場」とは言っておらず「workshop」とだけ書かれてあります。)。仕事場という訳だと「どこを指しているんだ…別荘?」となりますが、ウェルクシュタット(ワークショップ)≒手首のエクササイズの解釈では場所に限定されないので、タイトルで誤解することが減ると考えています。
以上より、私は「病人のウェルクシュタットより」の訳を推していきたいと思います。
BRクラシックのページにも「手首のエクササイズ」的なことが書かれていますので、ドイツ語圏では現在のところ「ウェルクシュタット(手首のエクササイズ)」説が主流かもしれません。Villa MusicaにもBRクラシックにも出典は書かれていませんが、おそらく2014年の書籍「Richard Strauss: Musik der Moderne」とかに記載がありそうです。
ちなみに、もし英語風の読みで「病人のワークショップより」にすると、「ワークショップ」が既に日本語で別の意味を持ってきているのでさらなる混乱を引き起こしかねず、ドイツ語のカタカナ読み「ウェルクシュタット」としています。
■まとめ
少なくともInvalidenを「傷病兵」とするのは自虐の有無によることとなり、もし「本人が自虐で書いた」という記述がなければ誤解を引き起こしかねない訳です。それよりは直接的な「病人」とする方が妥当だと思われます。
Werkstattを「仕事場」に訳すか「ウェルクシュタット」のままにするかは正直微妙なラインで、WerkstattやWorkshop自体に仕事場という意味もありますから、「病人の仕事場」という訳も間違いではありません。ただし唯一違うのは「ガルミッシュの別荘」という意味に限らないということです。
ドイツでは最近「ウェルクシュタット(≒エクササイズ作品)」のほうが主流のようですから、私としては「病人のウェルクシュタットより」としたいところです。
なお、どの説もいまいちピンとこない場合は副題を記載しないまたはドイツ語表記のまま”Aus der Werkstatt eines Invaliden”にするという選択肢もあり、そちらの方が混乱を避けられるかもしれません。
副題の謎についての調査は以上です。
さて、日本語訳が複数あり出典がわからなかった副題についてかなり調べてしまいましたが、曲の簡単な説明に移ります。
I. Allegro moderato
II. Romance and Minuet
III. Finale
第一楽章はAllegro moderato、メロディー(主題)風モチーフ、細かい上昇・下降モチーフ、連打モチーフ、歌曲モチーフのような音型が提示されます。これらが紡がれたり再度現れたりしており、おそらく自由なソナタ形式(再現部がほぼない…??)をとっていると思われます。楽譜を見ずに聞いていると主題提示部の前半と展開させた部分の後半の2部形式のようにも感じます。後半は転調等々ドラマティックであり、曲全体を通じてホルンが美しいメロディーを度々奏するところがR. シュトラウスらしく、オペラのような雰囲気を味わえます。
第二楽章は優しげなロマンスで始まります。やはりホルンの活躍に耳が行きます。途中やや軽快なメヌエットになりますが、再度優しげなロマンスに戻ります。複数楽器によるUnison、各楽器によるSoli、部分的なSoloの用い方が楽曲の幅を広げているように感じます。
第三楽章は軽やかな箇所、印象的な旋律のユニゾンの箇所がたびたび繰り返されるようなロンド風に進みます。駆け下るフレーズや駆け上がるフレーズにシュトラウスらしさを感じます。どの楽章もメロディーにはほとんどその裏で複雑に動いているパートが組み合わされており、楽曲を単調さから解放しています。
用いられる楽器の組み合わせやモチーフの組み合わせ、楽器の多さによる音域の幅はもちろん各楽器に用いられうる音域も広範囲であり、ホルンの用いられ方も効果的なことから、16本の管楽器だけでもまるで交響詩かオペラのような壮大な世界が広がっています。
これをインフルエンザからの回復期に作ったリハビリ的な作品というのは流石というしかありません。オペラをいくつも作った後の作品ということもあるのでしょうか、16本の管楽器でここまで壮大な楽曲に仕上げてあることも素晴らしく、もっと知名度があってもおかしくない曲だとは思いますが、やはりタイトルで損をしているのでしょうか。単純に著作権の話かもしれませんが…。
ソナチネという可愛らしい小曲にみせかけたタイトル(実際は結構長くて厚みのある…彼のそれまでのオペラ作品群に比べたら確かに小さなソナタのような小曲かもしれませんが)、謎の副題の日本語訳、Cクラリネットやバセットホルンを使用するという編成の難しさのために避けられてきたのかというくらい知名度が低いこの曲ですが、R.シュトラウス晩年の管楽交響的作品と捉えられればもっと人気が出ても不思議はありません。
Wikipedia(日本語) / リヒャルト・シュトラウス
Wikipedia(英語) / Richard Strauss
Wikipedia(ドイツ語) / Richard Strauss
IMSLP / Sonatine No.1, TrV 288 (Strauss, Richard)
7. R. シュトラウス / ソナチネ 第2番, TrV291(1944)
ドイツの作曲家、リヒャルト・シュトラウス(Richard Georg Strauss、1864年6月11日 – 1949年9月8日)が1944年(80歳)に作曲した、2Fl, 2Ob, 3Cl(1C, 2Bb&A), BH, BsCl, 4Hr, 2Fg, C.Fgの十六重奏です。4楽章構成で、演奏時間は40分前後です。
こちらも先述のソナチネ第1番と同様に木管とホルンだけのアンサンブルとしては最大規模で、全く同じ編成になっています。IMSLPによりますと作曲は1944-1945 in Garmischと書かれており、初演は1946 in Switzerlandとなっています。第1番がガルミッシュで作曲されたかの確証はありませんでしたが、こちらはガルミッシュで作曲されたようです。初出版が1952 (As Symphony for Wind Instruments)となっており、出版時には管楽器のための交響曲として認識されていたと考えられます。
ソナチネ第2番の副題は横文字ではSonatine No.2 “Fröhliche Werkstatt” となっています。英語では”Happy workshop”です。
一般的に前述のSonatine No.1 “Aus der Werkstatt eines Invaliden”と対の作品と考えられており、同じWerkstattの言葉が用いられています。こちらについては日本語では「楽しい仕事場」の訳で統一されているようです。日本語訳の揺れがないだけでありがたいです。
主な意味としては「ソナチネ第1番がなかなか良い出来だったので、続けて作ったこちらの作品に「楽しい」の語を与えた」というのが複数のサイトで確認できます(ファゴット吹きのバソン練習日記さんの記事等)。
ただ、第1番の副題の説明で述べたのと同様に「Werkstatt」を「仕事場」と訳すのか、「ウェルクシュタット(≒手首のエクササイズ作品)」とするのかで意味が変わってきますし、80歳のR. シュトラウスが「前回上手くできて良かったから今回「楽しい」にした!」みたいな単純な話なのかな…??と疑問はあるところです。
こちらについてもドイツ語で詳しい説明がありましたので、Villa Musicaの説明やJeremy Barham氏の解説を意訳してまとめました。
シュトラウスはホルン奏者だった彼の父によって伝統的なセレナーデ作品に触れ、若いころにモーツァルトのグラン・パルティータをモデルとしてハルモニームジーク作品を作りました。シュトラウスは同様の編成のこのソナチネ第2番をモーツァルトに捧げることとし、タイトルページには「感謝に満ちた人生の終わりに、神聖なモーツァルトの霊(精神)に」と書かれています。なお、シュトラウスはこのソナチネ第2番について他の晩年の作品と同様に、定期的な演奏を奨励することはなかったようです。
以上の「モーツァルトに捧げる」「感謝に満ちた人生の終わりに」という説明を読みますと、“Fröhliche Werkstatt”のFröhlicheを単純に「楽しい」とするか、それとももう少し別の意味を含む「嬉しい」とするかは微妙なラインです…。Fröhlicheは英語でHappyですので「楽しい」でも間違いではありませんが、日本語の「楽しい」はややFunの意味合いが強い気がします。それよりは感謝の念や自分の満足感の意味を含む「嬉しい」のほうが似つかわしい気もします。
ただし、「嬉しいウェルクシュタット」という日本語を見てもそれはそれで微妙な気もしますのでなんとも言えません。
「楽しい仕事場」、「楽しいウェルクシュタット」、「嬉しい仕事場」、「嬉しいウェルクシュタット」…複数のパターンが考えられますがいかがでしょう。
やはり第1番と同様に、日本語がいまいちピンとこない場合は副題を記載しないまたはドイツ語表記のまま”Fröhliche Werkstatt”にするほうが無難かもしれません。
さて、こちらも副題について時間を割いてしましたが楽曲の説明に移ります。
I. Allegro con brio
II. Andantino, sehr gemächlich
III. Menuett – Etwas lebhaft
IV. Einleitung (Andante) und Allegro
第一楽章は交響曲的雰囲気で始まります。この最初のテーマはティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずらのホルンのテーマに関連があるとVilla Musicaには書かれておりますがいかがでしょうか。下降音型が似ているかもしれません。さらに途中には「英雄の生涯」のテーマが用いられているようです(参考:音楽枕草子のページ、「ホラ吹き」)。ホルンによる讃美歌のような第二主題、オーボエのおどけたテーマやクラリネットのロマンティックなテーマが続いて冒頭のテーマに戻りますが、度々怪しげな短調が表れます。シュトラウスのオペラの回想のようでありつつもしっかりとセレナーデ作品としてまとまっています。
第二楽章はまるでモーツァルトのような雰囲気で始まります。途中オーボエとバセットホルンのデュオになります。バセットホルンをソロのように使うのはバセットホルンが大好きだったモーツァルトに捧げているのでしょうか。後半はフルートが飛び回る中冒頭のテーマが表れます。
第三楽章はメヌエットで、第二楽章と雰囲気は似ています。伝統的なクラシックという感じですがややスケルツォの様相もあります。ホルンやクラリネット属の合奏等モーツァルトへ捧げるようなフレーズが表れます。
第四楽章は一転不協和音の暗い怪しい序奏で始まります。この楽章がこの曲の中で一番最初(戦時中)に作られたというのを知っていると、なるほどと感じます。序奏を過ぎるとフルート・オーボエ・クラリネットが鳥の声のように鳴きかわしながらだんだんとテーマを形成していきます。やや第一楽章のテーマと似ているかもしれません。このテーマを繰り返し、途中何度か暗い部分も現れながら、明るくエネルギッシュに進んでいきます。
ソナチネ第1番より曲全体のオペラ感が減って、より管楽作品としてのまとまりが表れています。第一楽章が自身へのオマージュ、第二、第三楽章がモーツァルトへのオマージュ、第四楽章は不明ですが、R.シュトラウスの管楽作品の原点となったモーツァルトや自身の若い頃のハルモニームジーク作品をソナチネ第1番よりも大幅に意識した作品となっています。モーツァルトのグラン・パルティータが源流となって様々な作曲家に影響を与え最後にここに流れ着いた、そんなモーツァルトとR.シュトラウスとの歴史を眺める交響曲風の名曲です。
IMSLP / Sonatine No.2, TrV 291 (Strauss, Richard)
16重奏以上
8. L. シュポア / ノットゥルノ, op.34(1815)
ドイツの作曲家、ルイ・シュポア(Louis Spohr, 1784年4月5日 – 1859年10月22日)が1815年(31歳)に作曲した少し大規模な管楽合奏曲です。編成が複雑かつ金管・打楽器も複数あるため、純粋な木管アンサンブル作品ではありません。最大18名、最小11名で用いられる楽器も変則的かつ6楽章もある作品です。演奏時間は30分前後です。
副題がつけられることもあるようで、富樫鉄火のグル新によりますと以下のとおりだそうです。
L. シュポアは現在でこそ室内楽方面で多数の作品を残しており名が知られていますが、交響曲や特にヴァイオリン協奏曲もたくさん作曲していた作曲家であり、さらには名ヴァイオリニスト・指揮者でもありました。ヴァイオリニストとしては「顎あて」を発明し、指揮者としては指揮棒を使い始め、作曲家としてはアルファベット大文字による練習番号を使い始めたという、演奏方面の慣習の原点を持つ人物でもあります。
L. シュポアの生まれは1784年で、同い年にはジョルジュ・オンスローがおり、同年代にはパガニーニ(1782年生)やウェーバー、クーラウ(両1786年生)がおります。ベートーヴェン(1770年生)とシューベルト(1797年生)の間世代であり、このノットゥルノもベートーヴェンが交響曲第7番や8番を初演したすぐ後の作品です。なお、シュポアは1813年からウィーンの劇場で指揮者を務めており、その際にベートーヴェンと親しくなり、交響曲第7番の初演にも参加している(おそらくヴァイオリニストとして…初演の指揮はベートーヴェン自身なので)とのことです。
I. Marcia
II. Menuetto
III. Andante con Variazioni
IV. Polacca
V. Adagio
VI. Finale
第一楽章は軍楽隊の行進曲で、中間部のような場所はクラリネットやオーボエが三連符のメロディーを繋いでいきます。フルートパートはピッコロだけだからでしょうか、だからこそ感じる軍楽隊の雰囲気があります。楽器はPicc, 2Ob, 2Cl(C), 2Hr(F), 2Tp, 2Fg, C.Fg or BsHr, Tb, Tri, BsDr, Cymの16名です。
第二楽章は短調でクラリネットの駆け上がる音型を中心に進み、中間部はクラリネットやファゴットで始まる優しい雰囲気になります。再度冒頭のクラリネットの音型に戻り、コーダで終わります。楽器はFl, 2Ob, 2Cl(Bb), 2Hr(Es), 2Tp, 2Fg, C.Fg, Tbの13名です。打楽器が減りました。
第三楽章はAndanteのウキウキした気分になるテーマでクラリネットから始まります。実は変奏曲であり、冒頭のテーマが終わると突如クラリネットの技巧が始まり、オーボエの独奏が続きます。一度冒頭のテーマに戻った後、ホルンの三連符に始まるテーマの中で他の管楽器が細かく動き回ります。テーマが短調になった後、冒頭のテーマの中クラリネット→フルートの細かい動きが続いて曲が終わります。ちなみにIMSLPスコアではこの楽章のフルートは3度上のEs管ソプラノフルートになります。楽器はFl(Es), 2Ob, 2Cl(C), 2Hr(F), 2Fg, C.Fg, Tbで11名です。トランペットが減りました。
第四楽章は明るい合奏で始まります。Polaccaとはイタリア語でポロネーズのことで荘厳な三拍子の舞曲を指します。速い二拍子のポルカとは異なります。トリオ部分ではポストホルンのソロとトランペットの掛け合いが出てきて、オーボエやクラリネットの軽やかなステップも現れます。冒頭の荘厳な舞曲に戻って終わります。どことなくバロックな雰囲気があります。楽器は2Picc(ad lib), 2Ob, 2Cl(C), P.Hr, 2Hr(F), 2Tp, 2Fg, C.Fg, Tb, Tri, BsDr, Cymの最大18名です。
第五楽章はAdagioで始まり優しい雰囲気が続き、たまに少し憂鬱な気分が現れます。細かい動きが多いからでしょうか、Adagioほどのゆっくりな感じはしません。楽器はFl, 2Ob, 2Cl(Bb), 2Hr(Es), 2Fg, C.Fg, Tbの11名で、楽器の調性は違いますが第三楽章と同じメンバーで演奏可能です。
第六楽章はフィナーレ、ダンスのような雰囲気かつロンド風に進みます。楽器はFl&Picc, 2Ob, 2Cl(C), 2Hr(F), 2Tp, 2Fg, C.Fg, Tb, Tri, BsDr, Cymの16名です。
Wikipedia(日本語) / ルイ・シュポーア
Wikipedia(英語) / Louis Spohr
IMSLP / Notturno, Op.34 (Spohr, Louis)
より軍楽隊感のある演奏
あとがき
いかがでしたでしょうか?編成の大きさや複雑さ、楽曲の雰囲気、あるいは作曲家の知名度の低さ等から演奏会で実施するには少々難しいものが多かったかもしれません。それでも、どれも素晴らしい曲であることは確かです。
曲や作曲家の知名度の高さ低さはひとえに昔から今まで商業としてのラインに乗ってこれたか否かがほとんどかと思います。その点で、以前よりご紹介している「室内楽(アンサンブル)」というジャンルはオペラや交響曲やピアノ曲と比べると後塵を拝すものがありました。劇場で多くのお客さんを集められるオペラや管弦楽、習い事として昔からメジャーだったピアノに対し、室内楽は元々のスタートが王侯貴族の部屋の音楽だったりサロンの音楽だったりするわけですからやむを得なかったのかもしれません。
しかし今やPCやスマートフォンで誰でも自由に音楽に触れられるようになりました。Wikipediaを始めとするサイトでは数多の情報を入手でき、Youtube等を始めとする動画サイトでは様々な曲と演奏を自由に視聴でき、IMSLPではパブリックドメインの楽譜を自由に探し閲覧できるような時代になりました。また、今や演奏も、プロのみならずアマチュアでも自由に楽しみ発表できる時代でもあります。むしろアマチュアの方が自由に様々な曲を演奏できる立場にあるかもしれません。
目に触れる・耳に触れる回数が多ければ多くなるほど、曲も作曲家も自ずと知名度は上がります。進んだ技術を大いに利用して、自分の好きな作曲家や作品を推して参りましょう!
今回ご紹介したなかで好きになった曲があれば僥倖ですし、本記事や当ブログの他記事を見て選曲してくださる団体がありましたら、ブログを作った者としての冥利に尽きると思います。
はじめまして!
自分は生粋の吹奏楽オタクなんですが最近新しい曲が見つからなくなって室内楽編成の吹奏楽にはまっています。
https://books.google.co.jp/books/about/An_Annotated_Guide_to_Wind_Chamber_Music.html?hl=ja&id=bXKJq-mjxYsC&redir_esc=y
これはGoogle booksで立ち読みできるんですが6重奏から18重奏までの室内楽作品を網羅、とまではいきませんが近く記載されています。しかもその中から選りすぐりの101曲が最初に載っているので新しい曲探しに役立つと思います。自分のお勧めは
F.Martin : Ballade for viola,wind,and etc…
J.Dove : Figures in the garden
C.McPhee : Concerto for piano and wind octet
F.Schmitt : Lied et Scherzo
(金管楽器も結構入ってる曲たちです特にバラードとか)
他にもたくさんいい曲があるので是非見てみてください!
アルプスの少年様
コメントいただき、また記事をご覧いただき誠にありがとうございます。
ご紹介いただいた書籍は存じ上げませんでしたので、情報をいただき大変嬉しく思います。
立ち読みしてみましたが、昔から最近の曲まで網羅されているようですね。
昔の作曲家はIMSLPで調べるにも限界がありましたし、逆に近代の作曲家は情報が手に入りにくいので大変助かります!
当該書籍の購入も検討してみたいと思います。ご紹介いただき、ありがとうございました!